睡眠(1月)
睡眠の必要性
人生の1/3を睡眠時間が占めるということからもお分かりのように、人間にとって睡眠は心身の健康を保つうえで欠かせないものです。睡眠には色々な役割がありますが、第一に挙げられるのが脳の疲労回復です。「え、身体を休める為じゃないの?」と意外に思われる方も少なくないでしょう。実際、身体を休める為の睡眠は全体の1/5に過ぎず、そのほとんどが脳の休息の為の睡眠とされています。睡眠は脳の活動をセーブし、脳をリフレッシュさせる効果をもっています。睡眠障害が長く続くと日中ボーっとしたり、眠気に襲われたり、体がだるくなったりと悪影響が現われます。また、睡眠中は成長ホルモンが多量に分泌されることもわかっていますから、成長期の子どもには充分な睡眠が必要とされます。一方、成長ホルモンは大人であっても健康を維持するのに欠かすことは出来ません。睡眠不足が美容の大敵といわれるのも睡眠がこのようなホルモン分泌と密接に関わっているからなのです。
睡眠障害について
「睡眠障害」という言葉を耳にしたことがあると思います。これはここ数年の間に使われるようになった言葉で睡眠に関して質、量共に問題のあるケースを指すものです。睡眠に関する問題といえば、不眠症をイメージされるのではないでしょうか。しかし、その不眠症も睡眠障害の一部になります。睡眠障害とは不眠症からいびき、寝言まで睡眠に関するあらゆる問題を含む言葉で、種類は様々です。以下、代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
【精神生理性不眠症】
不眠症の中でも多くみられるケースで、これは何らかのストレスによって身体的な緊張や興奮が起って不眠になり、また不眠に陥った為に新たに眠れないのではないかという不安が起こり、不眠状態が続く睡眠障害です。このケースでは眠ろうと意識し過ぎることが眠りを妨げます。睡眠に結びつく環境(寝室、ベッド、枕など)や習慣(就寝前にすること)が「眠れない」という連想を引き起こすため、寝室では眠れないのに、居間でテレビを見たりしているとすぐ眠くなるということもよくあります。治療は生活指導、精神療法のほか、補助的に睡眠薬が用いられることもあります。
【ナルコレプシー】
ナルコレプシーは日中に繰り返し居眠りが起こる病気で、過眠症の一つです。ふつう10分~20分ほど眠るとすっきりしますが、2~3時間後にはまた眠気が起ります。特徴的な症状としては、昼間の居眠りだけでなくふつうなら眠気を感じることのない大事な場面(試験や商談)、あるいは食事中などでも急に眠り込んでしまうという「睡眠発作」があります。また、金縛り状態、入眠時の幻覚などの症状も知られています。治療としては、夜の睡眠を十分に確保する為に睡眠薬、昼間の眠気を覚ます為に精神刺激薬などが用いられます。
【睡眠時無呼吸症候群】
眠っているときに周期的に呼吸が止まって熟睡できないため、昼間に強い眠気が起きる過眠症の一つで、ほとんどの場合、本人は無呼吸を自覚していないようです。睡眠時無呼吸症候群は、肥満、首が短い、下あごか小さいなどといった身体的特徴のある人に多く見られます。放っておくと高血圧症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気を引き起こす可能性があるといわれていますので、ご家族で気付かれた場合は早めに病院へ行く事をお勧めします。
【周期性四肢運動障害】
睡眠時に突然脚が動いたり、筋肉が痙攣したりする障害です。その為、夜中に何度も目が覚めてしまいます。本人は自覚していない場合が多く、結果的によく眠る事が出来ないので、起床時に気分がすっきりせず、昼間も眠気に襲われます。原因が未だよく分かってないのですが、睡眠薬や鎮静剤などの治療で症状が軽減するようです。
【睡眠時遊行症】
一般に夢遊病と呼ばれる睡眠障害です。夜中に寝ぼけて歩き回るだけでなく、服を着る、ドアを開ける、トイレに行くなど色々な動作を行うこともあり、多くの場合、本人に動き回った記憶がありません。4~8歳頃に発症することが多く、20歳くらいまでには自然に治るケースがほとんどです。
快適な睡眠をとるために
1、起床、就寝時間を出来るだけくずさない
寝つきをよくし、睡眠の質を高めるには毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるのが 理想的です。生活に一定のリズムを持たせるのです。そうすると身体のリズムもそれに合わせて順調に働くようになります。とはいうものの、毎日定時に家に帰ることが出来る人もそう多くはないでしょう。しかしたとえ残業や付き合いなどで就寝時間が遅くなってしまっても翌日はいつもの時間に起きるようにしましょう。昼間は眠気に襲われるかもしれませんが、夜は熟睡できるはずです。人間の脳には睡眠不足を補うようなメカニズムが備わっていると考えられています。つまり、前日に睡眠が不足したときは、普段よりも眠りが深くなるのです。
2、眠れなくてもいい!と開き直る
不眠症の人の多くは眠りに対するこだわりが強く、「眠らなければ」という使命感のような気持ちになり、そのためかえって眠れなくなるというケースになるようです。このような不眠を解消する為に大切なのが眠ろうという気持ちを捨てることです。眠れなくてもいい、今夜は徹夜しよう!といったくらいの気持ちで、他のことを考えるようにしてみましょう。楽しかったことや気持ちが明るくなるようなことを思い浮かべて睡眠以外のことに気持ちを切り換えます。そうすると意外と早く眠りにつけるものです
3、ぬるめのお風呂に入る
人間の体温はお風呂に入ると一時的に上がりますが、しばらくするとまた下がっていきます。こうした体温が下がっていくという状態が眠りを誘う働きをします。その為、寝る前にぬるめのお風呂に入ると寝つきが良くなります。40度程度のぬるめのお風呂に20~30分くらいゆったりつかるといいでしょう。好きな香りの入浴剤を使用すれば心身共にリラックスするのでより効果的です。逆に熱すぎると興奮してしまうので注意してください。
4、空腹や満腹、飲みすぎに注意!
お腹が空いて眠れないという経験をしたことがあると思います。これは空腹状態だと血糖値などが下がり、脳が刺激され興奮してしまう為です。逆に満腹の場合は、胃腸が消化吸収で活発に動くためやはり眠りを妨げることになります。また、夕食をとる時間も大切です。翌朝すっきり目覚めるためにも就寝3時間前までには夕食を済ませたいものです。飲酒は緊張をほぐして眠りを誘う効果がありますが、あくまで少量が鉄則です。飲み過ぎるとアルコールの作用で寝つきは良くなるものの途中で目が覚めるなど、睡眠の質が低下してしまいます。
5、快適な寝室作りを
快眠の為には寝室の環境作りも大切です。ただし、こだわりすぎるのは不眠の原因になりますから程々に。室温は体感温度で「暑すぎず、寒すぎず」であれば問題ありません。寝室の照明は蛍光灯よりも白熱灯の方が暖かみがあって心身をリラックスさせるのに効果的なので電気スタンドを白熱灯のものに替えてみるのもいいでしょう。ふとんやベッドは適度な硬さがあり、身体が沈み込まないものがよいとされていますが、これも好みなので自分で気持ちが良ければいいでしょう。また、寝るときに着る物は木綿や絹など吸湿性や通気性のある素材で身体を締めつけないものを選びましょう。
朝、すっきりと目覚めよう!
気分よく1日をスタートさせるためには、朝すっきりと目覚めることが大切です。
充実した1日のために次のことを実践してみてください。
1、音や香りを利用する
テレビやラジオをつけると聴覚を刺激して目が覚めやすくなります。タイマーをセットして目覚まし時計代わりにするのもいいですね。レモンやペパーミント、ローズマリーの香りはリフレッシュの効果がありますので、スプレーなどで部
屋にひと吹きすると眠気がすっきりとれます。
2、手足を動かす
まず目が覚めたら簡単なストレッチをしましょう。手足を伸ばす、両足を抱えて背中を伸ばす、腰を伸ばす、首を前後左右に曲げるなど簡単なもので大丈夫です。身体の血行がよくなり目覚めがよくなります。
3、光を浴びる
光は目を覚ます為にとても大切です。目で光を感じることで視覚を刺激します。寝ていても眼球は光を捉えているので、眠る前にカーテンを少し開けておくと目が覚めやすくなります。なかなか起きられないという人はベッドや布団を光が当たりやすい場所に移動してみましょう。
4、軽くシャワーを浴びる
シャワーを浴びるとマッサージ効果で血行が良くなり、リラックスした副交感神経が優位の状態から活動的な交感神経が優位な状態に早く切り替わることができます。
眠気対策
眠気対策と聞いて一番に思いつくのがカフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶)を飲むことだと思います。コーヒーが苦手な人にはハーブティー(ジャスミン、ペパーミント、レモングラス)などがあります。ガム、根菜類、するめなど、顎を使う食べ物を食べると脳が刺激を受けて眠気防止になります。
その他、眠気覚ましのツボを刺激することでも脳の働きが活発になりますのでいくつか眠気覚ましのツボをご紹介します。押したり、圧を加えたり、自分なりに試してみてください。
- 百会(ひゃくえ):頭のてっぺん、前後左右から見て中央の位置にあるツボです。
- 風池(ふうち):後頭骨の下のくぼみから左右指3本分外側の位置にあるツボで、頭痛、肩こり、疲労回復、ストレスなどに効果があります。
- 中衝(ちゅうしょう):手の中指の爪の、人差し指側の生え際の2mm程下にあります。眠気覚ましのほか、イライラする気分を落ち着かせる 効果もあります。左右両方とも刺激しましょう。
- 労宮(ろうきゅう):手のひらのほぼ中央で、手を握ったときに中指の先が当たるところにあります。上半身の血行を良くするので肩こりにも 効果があります。
- 合谷(ごうこく):親指と人差し指のまたの間で、手を広げたときに2本の指の骨が接する部分の少し指先側です。眠気を抑え、全身の血行 を良くするツボです。








